2016年3月18日金曜日

読書『ふがいない僕は空を見た』







『ふがいない僕は空を見た 』窪美澄 (新潮文庫)




うーむ、てんこ盛り。インモラルで、「パパママ子供犬プラス一戸建て中流」みたいなものから遠いところにある要素の。不倫、嫉妬、貧困、幼児愛者。

「僕」は、コスプレ主婦とセックスする高校生。その主婦は元いじめられっこで、モラハラ粘着質の夫と毒姑に囲まれ、望んでもいない妊活中。


僕の同級生には、元神童今ひきこもりの兄がいる女子高生。オトコと暮らす母親に痴呆の祖母と置き去り同然にされている男子高生。一見肝っ玉母さんのような助産師の僕の母にもオンナの過去と今。

最後の助産院での章がなかったら、きっとあまり好きになれなかったかな。お産の描写で、ああ、こんなふがいない誰もが、産まれて生きているのね、とストーリー全体を捉え直せた気がした。読んだことのないストーリーだと感じられた。

でも、性犯罪をおかす幼児愛者が「そんな趣味、俺が望んじゃわけじゃないのに、勝手にオプションつけるよな神さまって」(224ページ) などと言ってしまうことが許されている、やけに寛容な小説。

読み応えはあったし、新潮社「女による女のためのR−18」文学賞など受賞し映画化もされているぐらいだから人気が高いんだろうけど、これがエロティック??と思ったのは、きっと30年読むのが遅かったんだろう。



 本日28度。

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